Vol.01

理想の間取りを実現させた
羊蹄山を眺める「笠」屋根の家

ニセコ町・Nさん宅 夫婦30代、子ども2人

屋根の形が笠を被っているように見えることから、「トリオイガサノイエ」と名付けられたこの家。回遊動線、使い勝手のよい水まわり、吹き抜け、そして大きな三角屋根という、Nさんご夫妻の希望を叶えるため、普通は正面を向いている屋根を45度回転させてみたことで誕生しました。「本当にふと思いついたんです。初めての試みだったので、大工さんには嫌がられましたけどね。でも、どんな要望も『ありえない』と思わずに、どうしたら実現できるか考えるのが注文住宅の醍醐味ですから」と、設計を担当した深瀬正人さんは話します。

2、3年かけて羊蹄山の見える場所を探したというご夫妻。ご主人がアジア系カナダ人、奥さんが日本人のインターナショナルカップルです。手に入れた580坪以上の広い土地を有効に使い、10枚の窓が並ぶ東側に据えられた大開口からは、まるで絵画を切り取ったように羊蹄山が美しく見えます。元々の傾斜を利用して、アプローチからも、LDKのあるフロアからも出入りが可能。15畳分ほどのアプローチには屋根を付けることで、公道までの除雪の距離を短くするとともに、雪や雨の日だけではなく、陽射しの強い季節にも使い勝手のよいスペースとなりました。

自分たちの理想を形にするために、安易に妥協せずこつこつと時間をかけてきたNさんご夫妻。家の中を案内しながら「家具はなるべく一生物を買いたくて、まだあまり揃っていないんです」と笑います。来夏にはLDKの外にウッドデッキができ、広い土地の一部はガーデンと畑になる予定。こだわりの家づくりはまだまだ進行中です。

Report by Replan

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